ビジネスモデルという言葉の定義はふわっとしています。人によって、この言葉を使うとき、それは単なる営業の方法を指していたり、お金をもらっているサービス内容だったりします。ここでは、ビジネスモデルというものをその要素に分けて、もう少し体系的なものとして解説します。
子を持つ親であれば、一度はサンタクロースになったことがあるのではありませんか? ビジネスモデルを理解する上で、サンタクロースは格好の題材です。
選ばれ続けるための要素を決めること
サンタクロースは、子供たちの心に常駐しています。そして、何か欲しいものができた時、子供たちはサンタクロースのことを思い出しますよね。
例えば、子どもにとってのサンタクロースのように、「何か必要なものや課題があるときは、いつも思い出してもらえる存在」としてお客様の心に常駐することは良い目標です。
サンタクロースは、自分では子供が欲しいプレゼントを調べることもなく、プレゼントを買うお金も出しません。
このように、「多くの人々が当社のサービスを利用してメリットを得ることで、当社の収益を効果的に増やしてくれる存在になる」というアイデアもビジネスモデルの有力な要素の一つです。
サンタに魔法の杖を欲しいとお願いする子供は、杖が欲しいのではなく、その杖をつかって自分の夢を実現したいのではないでしょうか。
物をプレゼントするサンタではなく、プレゼントを通して子供に未来への夢を届けるのがサンタの価値です。価値とはお客様の願い対する答えです
物そのものではなく、その物によって得られるわくわくした気持ちと、それで得られる希望です。子供や大人、個人や会社の区別はありません。
子どもたちと触れ合うことで、子供たちにとってのサンタクロース像がより鮮明さを増し、益々欲しいものを願うようになります(笑)
存在を認知してもらうことは、どのようなビジネスにおいても大切です。
素敵な夢とワクワク感を提供しつづけるには、サンタクロースの素質やモチベーションも大切です。マーケティングと内部オペレーションのバランスが大切な理由もここにあります。
サンタは高層ビルを明るいうちにロープでよじ登ったりはしません。子供が寝てからベッドの枕元にそっと「配達」してくれる特別なサービスを利用します。
商品をどうやって受け取るか、その文脈が価値を何倍にもするわけです。このように、どうやって届けるかは、どう届けてもらうのがうれしいかという顧客目線の言葉に置き替えられます。
靴下にいれた予約表をみて、必要なものを届けるというルールを決めると、お互いに便利ですね。このように、取引における仕組みを日々改善することもビジネスモデルには大切な要素です。
また、サンタクロース人材の確保と本番に備えてのトレーニングは欠かせません。また、クリスマス間近のマーケティング活動も、認知度と利用度を高めるために欠かせません。
サンタクロースは、ソリで登場することで、より神秘さとプレゼントの価値が増します(遠くからソリできてくれる)それゆえに、パートナーとしてのトナカイの存在は大切です。
同様に、貴社が提供する価値をより高めることが出来るパートナーとの関係づくりは、積極的に検討しましょう。お客様の要望はより高度なものになっています。自分の力だけで頑張るのは得策ではありません。、パートナーを活用する必要があるのです。
本物のサンタクロースの収益はゼロですが、コストもかからず、長年続いているので、ビジネスモデルとしては成立しています。
実際のビジネスでは、ビジネスのサイクルの中で「収益 > コスト」の関係が維持できるような仕組みを考える必要があります。
そのためには、提供する価値はお客様にとっての価値 Love > Money の関係にあることも大切です。
サンタクロースでビジネスモデルの要素を考えてみましたが、もう少しだけ専門的に考えてみます。
この質問の背景には、あなたの会社がどこで儲けている会社なのか、自分の尺度で理解したいという思いがあります。どこで儲けているのか理解できない会社はまずもって信頼できないですよね。
Googleの広告モデル
私たちは、かつてGoogleが検索サービスを始めたとき、その便利さに助けられる一方で、どうやって費用を捻出するのかななどと不思議に思ったものです。インターネット広告の概念が無かったときの事です。和牛のオーナー制度が破綻した安愚楽牧場などでも、本当に資金が回るものなのか疑問に思ったりもしました。
アプリのフリーミアムモデル
一方で、スマホアプリなどで一般的なフリーミアムモデル(無料アプリを提供してユーザーを増やし、アプリ内課金で収益を上げたり、有料サービスや他の事業者への参加を促すなど)は、非常に巧妙ですがその収益構造は分かりやすく、利用者は自己判断が可能なサービスと言えます。
このように会社の利益の源泉・収益構造を理解することは、その会社の信用度を計ることに繋がります。
色々な定義は有りますが、ビジネスモデルとは「あるビジネスが事業として収益をあげ、お客様の支持を受け続ける価値提供の仕組みと顧客や収益との関係を論理的にデザインすること」がMPC(当事務所)の考え方です。
この観点では、貴社がこれまで続けてきた既存ビジネスもビジネスモデルの対象になります。例えば、大塚家具は創業者が作り上げたビジネスモデルでは今後生存できないとして、新たなビジネスモデル創りを模索して来ましたが、結果は芳しくありません。実は、トライしてきた業態転換には、ビジネスモデル的に大きな欠陥があります。
最近、ビジネスモデルのパターン化が進んでいます。サブスク、マッチング、フリーミアム等に代表されるものです。しかし、これらは結果としてのビジネスモデルを外部から見て表現したものです。これらが「売れるビジネスモデル」なのであれば、どれかを選択して採用するだけです。でも、そんなに単純ではないことは誰でも知っています。では、ビジネスモデルをどう作ればいいのでしょうか?
ビジネスモデルキャンバスはビジネスモデルを9つの経営要素で考える便利なツールです。
ビジネスモデルは単に収益を上げる手法でなく、オペレーションを通して生み出す価値を顧客に届けることで収益を上げ、オペレーションコストを回収したうえで新たなサイクルを回す事業サイクルをデザインすることです。
良いビジネスモデルとは、この事業サイクルがボトルネック無しでつながり、ポジティブスパイラル(ビジネス規模が次第に大きくなる状態)になっている状態です。
マネジメントパワー・コンサルティングは、次なる成長を目指す中小企業様の強みをはじめとする経営資源の調査・分析や経営者様や社員の皆様との会話を大切にします。
その上で、価値提供の磨き上げとそれに見合った社内体制づくりを通して、最強のビジネス基盤づくりを自らのマンパワーで実行できるようにサポートします。
ビジネスモデル創りに効果的に取組めるように取組みの見える化をしながら、参画者全員が共通の理解の下で経営改革に取り組めるようにサポートします。